サービスの目的
「つむぎ」では、ご利用者がこれまでに慣れ親しんだ時間や、人生のなかで培ってきた力や価値観を大切にし、少しでも張りのある生活が送れるよう、スタッフがサポートいたします。
思い思いに過ごされる中で他の誰か(何か)の役に立つことで、自分らしく居られる居場所となっていくものと考えております。
健康面や生活リズムにも配慮しながら、ご利用者が落ち着いて安心できる環境づくりをはじめ、一人ひとりが役割を持つことで、暮らしへの意欲を取り戻していきます。
そして、ご利用者が落ち着いた生活をすることにより、ご家族の不安、負担の軽減にも繋がります。
つむぎの特徴
・達成感や役割感が持てる
・利用者同士が関わり、つながりや支え合いが持てる
・外出(買い物や公園等)が多い
・プログラム等への強制参加はなし
・少人数(当日最大11名)
・入浴制限なし(当日11名全員でも可)
・個浴(普通のお風呂)
・全職員が常勤(正規職員)
・送迎車に事業者名等の記載なし
・出発、到着時に家族不在でも可
・着替え等の所持品預かり可(当日の準備不要)
・必ず通いつづけられるように支援
・介護に関する心配事や悩みの相談に対応
生活参加型活動 認め合う人間関係 自信が持てるを支援し続けます。
生活行為(買い物や家事)を通じての自然な活動が機能訓練や達成感。
または自信につながります。
| 昼食を施設で用意しないのはなぜですか? |
| 以下の理由からです。 |
生活の中で「食事」は食べることだけではなく、何が食べたいかから始まって、おつかい→調理→食事→食後のだんらん→片づけ→歯磨きの流れが「食事」というプログラムと考えています。
この「食事」からだけでも、人としての多くの営みが発生します。メニューを考えるときにイメージを浮かべること、買い物中は足腰の運動や、目的のものを見当をつけながら探す脳の活性、さらにお代を支払う時の脳への刺激、包丁を使う時の集中力や腕手指の運動等々。
また、片付けは嫌いなことですが、誰かが始めることで私もやらなきゃという連鎖が生まれ、助け合いにつながり、役割感を持ちやすい活動です。
調理では、「昔取った杵柄」を発揮できる場面や、香りや音が五感を刺激し、食欲もわいてきます。
食事形態はいわゆる常食で箸を使用することを、基本スタイルとしており、噛む力の維持や噛むことや指を使うことで脳への刺激を期待しています。
もちろん栄養を摂ることは最大の目的でありますが、この一連の流れの中で気を遣ったり、集中したりすることは、小さいけれど多くの達成感やたくさんの人間関係が生まれ、在宅生活を続けるうえでとても重要なリハビリとなります。
また、食後のだんらんも重要です。
食器をすぐ下げてしまったらこれまで何をしていたかわからない状態をつくり、そこに不安が生まれます。
そのままの状態でだんらんをとることで、自分がしていたことの理解が見て解る環境で安心して(落ち着いて)行動や会話ができます。
なにより結果として、楽しく美味しく食事を摂ることにつながります。
つむぎの活用がその方の人生を変えます。
| 活動中に最も大切にしていることは何ですか? |
| 認め合える事です。 |
人はひとりでは生きていけない生き物です。
自立とは言っても、全てを自分で行うことではなく、助けを求めることができたり、資源を活用することができ
たりすることで自立を保っています。
このようなことから、
・人は自分のことが自分ででき
・人同士が支えあって、助けあって
・社会とのつながりをもって
生きていく生き物です。
認知症があるとかないとかではなく、利用者同士が「人」として関係を持てるようにすることが、私たちの最重要課題です。
その根本と考えていることが「認め合う」ことです。
たとえAさんから見てBさんがトンチンカンなことをしていると映ってしまっても、AさんがBさんを認めていると、Aさんは受容でき、トンチンカンなことを中傷せず、助けようと役割を発揮しています。
その結果Bさんの尊厳が守られ、そして安心感を持って、BさんもAさんを認めていきます。
このような人間関係を「つむぎ」という社会の中でつくることで初めて、調理や買い物・ゲームや歌に、自己決定のなかで参加してもいいという気持ちになり、その先には「私は生きていてもいいんだ」と思えるようになります。
互いに認め合うということは、これほど重要と考えて支援しております。
| 帰宅願望が強くて困っています? |
| 当たり前の姿です。 |
その方の状態像に「帰宅願望」と書かれている事例は多く、「問題行動」と捉えられることがほとんどです。
では実際に自宅に帰ったらなくなるかというと、そんな単純なものではなく、自宅に帰っても「私これで失礼します」、と自宅から出ていかれることも良く耳にします。
介護者にとっては大変困るのも事実です。
では、帰宅願望が単なる自宅に帰りたいという欲求だけかというと、ほとんどの場合そこにいたくない、職員や建物も含めてここが嫌いだという意思表現と捉えています。
本人の立場で考えると、当たり前の行動であり、そこに「問題行動」というレッテルを貼ること自体がおかしな世界との意識に変えることが重要だと感じます。
例えば、物忘れする自分や排泄に失敗する自分、職員から子ども扱いされる自分などへの否定の気持ちがからんでいます。
そこで多くの方が、家に帰る理由として「ご飯を作る時間だから」「約束があるから」「仕事にいく」などの理由をつくります。
その理由は、その方たちが家庭や、社会で役割を持ち、誰かに頼られていた(認められていた)時代に時間を逆行させていると考えます。
帰宅願望をそう捉え、その方が今現在不安を感じる事がないように関わっています。
何故帰りたいかの気持ちを共感的に理解し、意味の通らない話でも向き合って聞き、出来る限り行動を共にしていきます。
いやすい環境(人的・物的)を考え、役割感や必要とされていると感じられる仕掛けを作ることで、落ち着きを取り戻し、自信が持てることにつながると考え、家に戻ってもその感情が残る事で、今の家が本当の居場所になっていきます。
買い物や家事など、馴染みのある暮らしを主体的に営むことで、機能維持と意欲低下に効果的です。
| 認知症の方と上手くコミュニケーションがとれないのですが・・・ |
| 言葉以外のサインと背景に着目しています。 |
利用者の支援を行うときだけでなく対人援助では「コミュニケーション」が不可欠なことは言うまでもありませんが、認知症の方の支援を行っていると、会話でのキャッチボールではうまくいかないと感じることも多々あります。
個人差はありますが、場違いな事を言ったり、とんちんかんなことを言ったり。
いちいち付き合っていられないという人もいるかと思います。
このような状況は認知症の方が、自分の気持や考えをうまく言葉に出来なかったり、覚えられないことによって、相手の言っていることを正しく理解出来ていないといったことから生じているのです。
介護者側の苦悩ばかり捉えてしまいますが、自分の気持がうまく伝えることができず、わかってもらえない状況で生活される認知症の方にとっても、実は非常に負担が大きく、更なる混乱を招くなど、双方にとって非常に辛いことだと言えます。
つむぎでは、言語でのコミュニケーション以外にも、表情・ゼスチャー・手当・サイン・アイコンタクト等の言葉以外のツールを言葉に添えて、理解しやすいようコミュニケーションをとるように心掛け、ご利用者の発する”サイン”を見逃さないように努めております。
しっかりと自分の気持ちを表現することが難しくなっても、とんちんかんの背景を探れば、「思い」が見えてきます。
言葉にかき消された「気持ち」を汲み取るケアで、症状を暖和し、落ち着いた時間を過ごす事が出来るように取り組んでいます。
| つむぎでは機能訓練はやっていないのですか? |
| 機能訓練時間としては設けていませんが・・・ |
機能訓練またはリハビリテーションという言葉のイメージは平行棒や機械を使って行ったり、マッサージをやっている印象を持ちやすいのではと感じます。
また「機能訓練時間」という固定されたサービスをつくることで機能訓練が目的となってしまいがちになることもあります。(それでもいい場合もありますが。)
誰でも機能を維持向上させようとするきっかけは、今まで営んできた日常生活の断続にあります。
よって目的は「日常生活の自立」ということにあります。
そのためにおおよそ一般的な生活上の行為(料理・掃除・買い物など)をつむぎでスタッフの支援を受けながら、それぞれが多くの機能を発揮できる工夫をしております。
例えば、歩行(持久)力の低下がみられる方へのアプローチとして、カレーをつくる過程で”肉が足りない”との状態をつくり、それを買い物に行かせなきゃカレーができないという役割感のうえで近くの肉屋へ行ってもらう。
そのことから生まれる結果は、下肢筋肉を使う(坂道や段差)・社会環境(信号の横断や人の流れ)に適応しようとする・注文したり金銭の受け渡しなど多くの力を使ってつむぎに戻ります。
そこでさらに感謝(労い)され、それが満足感や達成感となり、達成感は自信にもつながります。
自宅での日常生活動作も維持できるので介護負担の軽減への貢献も期待できます。
目的(目標)があって、そこにやりたい・やろうという意欲が加わってはじめて自立度が増します。
自立度が増すことでより多くの機能(身体的、精神的、社会的に必要な機能)を使うという、いい循環がねらいです。
このようなことを組み合わせてつむぎの1日を過ごされており、つむぎの利用全体が機能訓練(リハビリテーション)とお考えください。
介護支援専門員各位
初夏の候、貴社ますますご発展のこととお喜び申しあげます。
さて、「つむぎ」は今年4月に西荻窪に開設し、ようやく全曜日(日曜~月曜)でご利用者が活動されておりますが、まだ空きがございます。
つきましては、お忙しい時期とは存じますが、下記のようなニーズがございましたら、ご紹介いただけると幸いです。
このような方にお勧め下さい。
・小回りの効くデイを探している方
・初めての介護サービス利用を検討されている方
・自宅ではなかなか役割が持てない方
・プログラムで運営されているデイになじめない方
・周囲との関わりが難しい方
・将来的にグループホームを希望されている方
・在宅生活を継続したい方※特に認知症の周辺症状でお困りの方がいらっしゃいましたら相談いただければと存じます。
また、運動機能障害によりADLが低下している方のご利用もできます。